今日も予報では快晴のようです♪
本沢温泉は、弟がバイクツーリングで行ったり、前の職場の上司も訪れたことがあり、よく話を聞かされていました。
国内にある高所の温泉としては、立山のみくりが池温泉に次いで2番目ですが、露天風呂としては最も標高が高い位置にあります。
これは、温泉好きの山ヤとしては行かずにいられるわけがありません。
しかし、最近マスコミ等でその存在が世間に広まり、シーズン中の休日などは、順番待ちになってしまうほどの盛況ぶりだそうです。
そこで、積雪期の平日なら混雑もなく、存分に露天風呂を満喫できるだろうと考え、今回の編笠山登山後に訪ねることにしたのでした。
松原湖入口から稲子湯に向かう一本道を、八ヶ岳の山懐目指して車を走らせます。
稲子湯を過ぎてやや登ると、みどり池入口の林道ゲートに到着。
すでに、登山者のものらしい車が1台とまっているので、その脇に駐車して出発します。
(すべての画像はクリックで大きく表示されます)
林道ゲートから、橋を渡って登山道に取り付きます。積雪は50センチから1メートルくらいですが、道にはしっかりとトレースがついているので安心です。雪も締まっていて快適に歩けます。
何度か林道と交錯し、屏風橋を渡って堰堤を過ぎると沢沿いの登山道となり、傾斜もきつくなります。
こまどり沢を渡って急な登りを頑張れば、やがて傾斜が落ちて、しらびそ小屋の建つみどり池に到着です。
みどり池はすっかり雪に覆われ、正面には天狗岳の真っ白な東壁が圧巻です。このコース一番の絶景スポットと言っていいでしょう。
さて、ここからいよいよ本沢温泉への登りです。しばらくして、中山峠への道を右に見送り、山腹を巻き気味に登る道となります。
尾根を越えて、湯川に沿ってやや下り、本沢温泉へのメインルートである本沢入口からの道を合わせると、待望の本沢温泉はもうすぐです。
本沢温泉は通年営業の山小屋ですが、さすがにこの時期はひっそりとしています。
夏季は宿泊棟の内湯に入ることができますが、冬季は「石楠花の湯」という別棟の内湯に入ることになります。
入口にある呼び出し用の鐘を鳴らしてみますが、小屋の人がなかなか出てきません。「誰もいないのかな?」とちょっと不安げに鐘を幾度か鳴らしたり呼びかけたりしたら、ようやく女性スタッフが出てきました。
露天風呂と石楠花の湯の入浴料600円ずつ合計1200円を払い、露天風呂の場所を教えてもらいます。
今の時間は誰も入っていないとのこと。露天風呂独占です♪
はやる気持ちを抑えつつ、露天風呂への道を登り始めます。
本沢温泉から5分ほど登山道を登り、道標に従って左手の沢に向かって下ります。雪がなければ何ともない道なんでしょうが、この下りはスリップしないよう気を使いました。温泉入りに行って遭難なんてシャレになりません(^^;)
下りきったところに、まるで待っていてくれたかのようにひょっこりとお風呂が現れました。
本当にウワサ通りお風呂以外何もありません。ただ雪の中にポッカリと湯船があるのみ。
いよいよ日本最高所、標高2150メートルの露天風呂に入ります。
が、持参した温度計を見るとマイナス10度。服を脱ぐのにモタついていたら、たちまち凍えてしまいます。
誰もいないことだし、と大胆に服を脱ぎ、風に飛ばされないようにザックの中や下に押し込んでから、いそいそと湯船に身体を浸します。
湯船の中から間近に硫黄岳の爆裂火口壁を眺めます。見上げれば雲ひとつない青い空。湯船から立ち上る湯気が紺碧の空に舞い上がって溶け込んでいく様子をボーっと見つめていると、今ここにいることがとても不思議に感じられます。
快適な設備の近代的な温泉施設もいいですが、こうして大自然のなかにポンと放り投げられたような素っ気ない湯船に浸かっていると、本当の贅沢とは何なのか考えさせられてしまいます。
今こうして温泉に入れることが、とてもありがたい。そんな素直な感謝の気持ちに満たされます。
さて、そろそろお風呂から上がることにします。
服を着るときも当然のことながら、すばやく行動しないといけません。何せ濡れたタオルがたちまち凍るほどですから。
湯船から出る前に頭の中でシミュレートしたとおり(笑)、テキパキと服を着て、靴を履こうとしたら何と靴ひもが凍ってしまいました(泣)。
凍った靴ひもを無理やり結んで、雲上の湯を後にします。
本沢温泉に戻って、今度は内湯の「石楠花の湯」に入ります。
ここは、1坪ほどの脱衣所に10畳ほどの浴室が付いた簡素な小屋です。
浴槽は二つあり、手前の方の板を並べただけのふたを外して入ります。
表面には温泉成分が固まった膜ができています。露天の雲上の湯はもちろんですが、まぎれもない源泉掛け流し天然温泉の証ですね。
ただ、内湯であれば、もう少し清潔感があってもいいような気がします。
奥の浴槽は、まるで水風呂と思えるほどぬるく、とても入れたものではありませんでした。何のためにあるのかちょっと疑問です。
この石楠花の湯は、午後3時までフリータイム(つまり混浴)、そのあとは1時間ごとに男女交互に入るように決められています。
本沢温泉には、露天と内湯あわせて2時間半ほど滞在しました。その間、だれも来ることはなく、完全貸切状態(*^-^)
十分に山のいで湯を堪能して下山にかかります。
すぐ下のキャンプ場で夫婦らしき50代くらいの男女がテントを張っていました。本日初めて会った登山者です。
彼らに別れを告げて、山道をしばらく進んだところで、思わぬ珍客に遭遇しました。
何とカモシカです。向こうもビックリしたかと思いきや、のんびりと草を食べたりしています。
カモシカに見送られて、往路をみどり池に向かって下ります。
途中でうら若き乙女7人パーティーとすれ違いました。たぶん女子大のワンゲル部員でしょう。そのやや後に、10人ほどの男女グループが登ってきました。
時間的に両グループとも本沢温泉泊まりみたいですが、あの人数で露天風呂に来られたら、混み合ってさぞかし大変だったことでしょう。
早めに入ってきて良かったと思うと同時に、ギャルたち(笑)と混浴するチャンスを逸してしまったな〜、などと複雑な思いでひとり山を下りるのでした(こらこら〜)
結局、彼らのほかには誰にも会うこともなく、まるでタイムスリップしたかのような、静かな雪山の秘湯探訪を無事終えることができました。
訪問日:2007年3月19日
私的おススメ度★★★★★(★5つが満点)
所在地:長野県佐久郡南牧村海尻1645
TEL:090-3140-7312
アクセス:JR小海線小海駅より小海町営バス稲子湯行で40分、終点下車、徒歩3時間30分。
車は中央自動車道須玉ICから国道141号を松原湖方面へ40km、本沢入口駐車場から徒歩2時間。
参考までに今回の私のコースタイム‥みどり池入口林道ゲート7:20→しらびそ小屋9:20〜9:30→中山峠分岐9:50→本沢温泉10:50
本沢温泉12:10〜13:10→中山峠分岐14:25→しらびそ小屋14:30〜14:40→みどり池入口林道ゲート15:30
(ガイドブック等に載っている無雪期のタイムとあまり変わりないですが、これは天候に恵まれ、雪の状態が良かったことにもよります。夏はハイキング程度で行けますが、冬季は雪山の経験、装備、体力が必要なことを付け加えておきます。)
営業時間:通年 9:00頃〜日没
休業日:無休
料金:入浴料‥雲上の湯(外湯)、石楠花の湯(内湯)とも600円。宿泊‥1泊2食付9,400円〜
風呂の種類:男女別内風呂(夏季)、混浴内風呂(冬季)、混浴露天風呂
休憩施設:談話室(2時間500円)
備付品:タオル(有料)、バスタオル(なし)、石鹸(なし)、シャンプー(なし)、ドライヤー(なし)
泉温:源泉43.6℃
ph値:3.0
泉質:酸性含硫黄カルシウム・硫酸塩泉
適応症:高血圧、婦人病、神経痛、冷え性